人間関係を駄目にする『外的コントロール』

アメリカの医学博士で、鬱病に対して薬を使わず治していくということで名医とされるウイリアムグラッサー医師(博士)という方が提唱している選択理論心理学というものがあります。
その選択理論心理学というものの中で、人間関係を駄目にしてしまう外的コントロールというものをご紹介します。
外的コントロールとは、
『人を自分の思い通りにコントロールしようとする考え方』です。
私たちは無意識に、人に『期待』をしています。
外的コントロールを使うと、期待は次第に、
『自分にとって都合の良い人間に変わってくれないだろうか』
(家事を手伝ってくれる夫・言わなくても片づけをする子ども・自分を褒めてくれる同僚)
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『どうすれば自分の思い通りに操れるか』
(手伝うようにきつく言う・片付けさせるために叱る・褒められるために自慢する)と変わっていってしまいます。
しかし、人を思い通りに操れることなど出来るわけがありません。
相手にも意思がありますし、人からコントロールをされることは誰もが嫌がります。
外的コントロールは、最終的には人間関係を壊してしまう考え方です。
私たちは、相手が思った通りに動いてくれないので、
自分の理想通りにするために以下のことをすることがあります。
①批判する
②責める
③文句を言う
④ガミガミ言う
⑤脅す
⑥罰する
⑦褒美で釣る
これらの行動は『7つの致命的習慣』と呼ばれ、その行動をとり続けることで確実に、その人との関係が悪化します。
例えば、間違っているからと相手を批判したり、ガミガミ言ったり責めたりする人に対して、仲良くなりたいと思えるでしょうか?
最初はその人のためを思ってやったことなのに、結果として人間関係が悪化してしまうというのは残念です。
『私が信じていることが正しい。あなたは間違っている。だからあなたを変えてることは私の義務である。私の言う通りにさえしていれば、あなたは幸せになれる。だから、私の言うことを聞くことが正しい』
という風に信念や正義感を基にして良かれと思って外的コントロールが使われてしまうことがありますが、裏目に出てしまうことでしょう。
健全な人間関係を構築する『内的コントロール』

内的コントロールの考え方は、自分の考え方と相手の考え方は違うことが大前提となっています。
私たちは外部の人からの刺激ではなく、基本的欲求を満たそうとする内側からの動機付けに従って動いています。
基本的な考え方として、
相手を変えることは出来ない。
変えることが出来るのは自分だけ。
自分が変わることで、それを見ている相手も自ら変わろうとしていることに対して自分が応援・支援するというものです。
外的コントロールで紹介した7つの行動は、
自分の考え方や価値観を相手に押し付けるというものでした。
では、内的コントロールの場合の7つの行動を紹介します。
①思いやる・・・意見の違いそのものを否定しない。敬意を表する。
②傾聴する・・・相手の話に共感する。
③貢献する・・・相手の成長・発展に加担する。
④支援する・・・相手の行動をお手伝いする。
⑤励ます・・・相手の行動をねぎらい、温かい声をかける。
⑥信頼する・・・相手に期待を寄せる。
⑦意見の違いについては交渉する・・・お互いの考え方を譲歩し合えるポイントを見つける。
外的コントロールの方が、頭を使わず楽です。内的コントロールは忍耐を要します。人は楽な方へ流れがちなので、外的コントロールを使って人間関係が悪くなってしまいます。
内的コントロールをみんなで一緒に意識していく必要があります!!
皆さんの周りにいる人たち全員が、内的コントロールを意識していくようになれば、きっと人生の満足度は上がっていくはずです。
周りにいる人達みんなが内的コントロールで関われるといいですよね^^
子育てにおける内的コントロールの実践
下の子どもが4歳の頃ですが、
お風呂に入っていて「そろそろ出ようか?」と言っても、
もっとお風呂で遊びたがって、いつも出ようとしませんでした。
「もういい加減に早く出なさい!」とか「早くしないと鬼がくるよ」
「お風呂から出たらお菓子をあげる!」とか外的コントロールを使って出していました。そして、機嫌を損ねさせてしまっていました。
そこで、「パパ疲れて立ち上がれなくなっちゃった。〇〇(息子の名前)は力持ちだからパパを引っ張ってお風呂から出してくれる?」と頼むと、「うん、いいよ!」とすぐにお風呂から出て一生懸命手を引っ張ってくれました。
「ありがとう、ママに〇〇(息子の名前)に助けてもらったって言うね」と言って、ママを呼び、「〇〇(息子の名前)に助けてもらったんだよ。パパを引っ張り上げてくれて、凄い力持ちだったよ~」と伝え、ママに褒められながら体を拭いてもらう。ご機嫌でお風呂から出てくれました。
内発的な動機付けを起こしたコントロール、これが内的コントロールです。同じお風呂から出すということ目的に対して、外的コントロールを使うのか内的コントロールを使うのかで、結果が大きく変わりました。
皆さんも人と関わる時、どうしたら内発的な動機を起こせるのか考えてみてください^^
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