変動金利で良い理由⑥⑦
この説明もこれで最後です。
⑥日本人の金融リテラシーの低さ
⑦残高が多い時に金利が低い方が良い
を説明していきたいと思います。
⑥日本人の金融リテラシーの低さ
外国では、金融知識についての教育がされている国も多くあるようですが、日本人は金融リテラシーについて教育を受けてきませんでした。だからなのかは分かりませんが、日本人の金利に対する意識が低いと感じます。
本来、自分の資産を預けるなら、少しでも高い金利のところへ置いておこうとするものです。金利が低くなればなるほど、本来お金は引き出され、より高い金利の金融商品等に移り変えていくはずです。
ところが、日本国内での預金金利は、ほぼ0なのに、日本人は好んで預金をする。
金利ほぼ0なのに、日本人は預貯金のまま、お金を動かさない。
動かさないのであれば、わざわざ金利を上げてお金を預けてもらう必要がないので、金利は上がりません。
物を買うことより、貯めこんでおく傾向にあるため、インフレもやはり進みません。
政府は、NISAやiDeCoなど資産運用をするように呼び掛けていますが、多くの国民の資産は、まだ預貯金のまま置いておかれているのが現状です。金利水準の高いところに置いておくことの重要性を理解していない人が大半。
為替が絡む、株式が絡む、不動産が絡む、などよく分からない損をしてしまう可能性ばかりに意識が向かってしまい様々な金融商品があることに目を向けていない方がほとんどです。(ゴミのような金融商品も沢山あるので、注意が必要ですがその中には、自分に合った金融商品や運用方法が必ずあります)
余談ですが、アマゾン売上総合1位を取ったことのあるベストセラー『21世紀の資本(トマ・ピケティ著)』において、r(資本の収益率)>g(経済の成長率)という公式が証明されています。
常に、資本運用での収益率は労働による経済成長率よりも大きいということを示していますが、これは、一生懸命働いて(労働)得られる賃金よりも資産運用による運用益が常に上回っているということです。これは、お金持ちはよりお金持ちとなり、貧乏人はより貧乏になっていく、必ず格差が広がることが証明されたということです。
資本を働かせるための勉強を日本人全体でやっていかないと、円高になって、
「日本の円の価値が高いんだ~日本はすご~い!海外旅行行きた~い」と浮かれている間に世界に取り残されていきそうですね。
(;^ω^)
⑦残高が多い時に金利が低い方が良い
最後に、ローンを組むにあたって、最初に金利が低い方が良いという話です。
もし変動金利が少しずつ上がってきて、固定金利と変動金利の平均金利が同じだった場合は、変動金利の方が利息が小さくなります。
理由としては、残債が多い時期の高い金利は沢山の利息を払うからです!!
前提条件として、ローン返済の前半は変動金利が金利が低く、後半は変動金利が高いという場合、残債が多い時期に高い金利がかかっている固定金利は、元金に充てられる金額が少ないので、残債が減っていくスピードが遅い、そのためより多くの利息を払うことになります。
一方、残債が少なくなってから、金利が多少高くなっても、影響が少なくなります。
実際に借りられている割合は?
また、実際に借りられている割合としても変動型の方が多いことが分かります。

もし、大きく金利が上がりそれが継続することになると、返済が滞る件数が多くなってしまい、大混乱を引き起こしてしまいます。
人口減少で不動産が余っている状況の中、金利が上がりお金を借りにくくなり、購入者が減り買い手が見つからない。返済が滞り路頭に迷っている人達のニュースを騒がせるような状況だと、余計に不動産を購入しようとは思わなくなる為、不動産業界は存続出来なくなってしまいます。
なので、ある程度の金利水準まで上がったら、政府や日銀の介入によって、金利低下に向けた政策(前回掲載した売りオペレーションなど)が行われると思われます。
ということで、私がもし借りるなら迷うことなく変動金利で借りると思います。
極端な円高も起きにくくなる
今まで、円高が起きる理由を述べてきましたが、極端な円高は起きにくいということも記載しておきます。
前回、世界最大の対外資産を持っているためリスクを回避したい時期には円高になるということをお伝えしましたが、順調にドイツが対外資産を順調に伸ばしてきており、こちらのサイトに図が載っていますが近い将来1位ではなくなる見込みです。
ドイツが1位になったからといってすぐにどうこうなるものでもないと思いますが、対外資産保有ランキングが落ちていくと安全資産としての位置づけが少しずつ薄らいでいくことが予想されます。
また、対外資産の中身も変化をしてきています。
今までは、すぐに現金化しやすい証券投資だったのに対して、直接投資(現物株など)の割合が増えてきています。
10年ほど前は、直接投資は20%以下だったのに対し、現在は50%あたりまで増加してきています。
これは、金利の低下に伴い国債などの債券よりも外国株式などの直接的な投資に割合を増やし期待収益を上げようとしているのだと思います。
その結果、今まで国債などの債券であれば、現金化しやすかった部分がありますが、株式の場合は即座に大量の売却は難しくなります。
そのため、売却して即円買いの動きがしにくくなるため、極端な円高になりにくくなるかと思われます。ということを考えると、極端な円高になりにくいが、円高傾向になりやすいという状況を考えると小口(個人)投資家にとっては、為替によるキャピタルゲインを狙いやすい局面とも言えると思います。
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