固定金利と変動金利の仕組み

ハイセルです。
住宅ローンには、『固定金利』と『変動金利』があるのはご存じかと思いますが、金利は何を基準に決まっているかはご存じでしょうか?
固定金利と変動金利には、基準となるものが違います。
固定金利は10年国債の金利で決められ、変動金利は短期プライムレートと呼ばれるもので決まっています。
短期プライムレートを補足すると、金融機関で短期間の貸し出しする時のレートを指すのですが、その元となっているのが金融機関の間で貸し借りを行う際の基準『無担保コールレート翌日物金利』と呼ばれる金利です。(昔、公定歩合なんていう言い方をされていました)
公定歩合は、金融機関の間で短期間のお金の貸し借りをする際の金利を日本銀行が決めるというものでした。それにより、金利を下げると銀行から低金利でお金を借りやすくなり、投資活動が積極的に行われ景気が良くなり、逆に金利を上げると景気を抑制する効果があったため、景気動向により経済活動の調整をする意味がありました。現在は、市場の需要と供給のバランスで変動するように自由化が行われるようになった結果、公定歩合が廃止されました。
金利の上昇で固定金利に借り換え?
アベノミクスがスタートした時期には、量的緩和の施策により日銀が国債を大量に買い取ったため10年国債の金利が一時的に上昇したことがありました。金利が上がっていると騒がれ、このまま金利が上がっていったら変動金利の人は大変だと固定金利で組んだり、変動から固定金利へ借り換えする人が多く現れました。
しかし、国債の金利が上がって変化があるのは、固定金利です。変動金利は殆ど変動していません。この仕組みを知らないと、金利が上昇していない変動金利から金利が上がってしまった固定金利に借り換えをして、高い金利をずっと払うことになってしまいます。金利が上がっているというニュースを見ても冷静に判断しましょう!
【固定金利】
メリット:金利が固定されているので、返済額に変動がありません。
デメリット:変動金利に比べ、金利が高めに設定されています。
3~5年の固定金利が非常に低いタイプのプランもありますが、固定年数以降の金利が、だいぶ高くなるように設定されるケースもあるため、よく確認しましょう!
【変動金利】
メリット:金利が低いので、金利が上がらなければ返済額が少なくなります。
デメリット:金利の変動により返済額が変わるので、金利が上がると返済の負担が大きくなります。
結局、変動・固定はどっちがいいの?
FPの教科書には、低金利の時には固定金利が良いとされています。しかしそれは、金利変動が大きく起こることが想定される場合です。FP1級である私のあくまでも個人的な見解ですが、結論から先にお伝えすると、変動金利で良いと考えています。
その理由は、以下の7つです。
①日本の債務の大きさ
②量的緩和
③人口の減少
④為替の影響
⑤インフレが進まない
⑥日本人の金融リテラシーの低さ
⑦残高が多い時に金利が低い方が良い
というものです。次回、上記7つの解説をします。
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