過保護は子供を檻に閉じ込める

妻が記載しています↓
先日、中学一年生の長男君がお友達とこんな会話をしていました。
友達
『今度の休み、一緒に遊ばない?』
長男君
『良いよ!じゃ~さ、休みに隣町に遊びに行ってみない?』
友達
『良いよ!じゃ~バスに乗って行こうか!』
長男君
『そうだね!じゃ~午前中に出掛けてお昼ご飯はマックでも食べようか!』
友達
『良いね~!!じゃ~お母さんに聞いてみるね!』
長男君
『うん!じゃ~お母さんに話してみて!』
後日・・・・
友達
『長男君・・・・ごめんね・・・・やっぱり行けない』
長男君
『えっ!どうして?!何か用事でもあったの?』
友達
『いや・・・先にお母さんに話したら「う~ん・・・そうねぇ~取りあえずお父さんに聞いてみるから待ってて!」って言われてさ。今朝、お父さんからダメだって言われた!』
長男君
『えっ!何でダメなの?理由は聞いた?』
友達
『うん・・・聞いたんだけど・・・「まだ中学生だから危ないからダメ!」って。うちはお父さんがダメだって言ったら絶対にダメだから・・・』
長男君
『そうなんだ・・・でもさ、○○←(友達の名前)は行きたいの?行きたくないの?』
友達
『そりゃ~行きたいよ!』
長男君
『なら、もう一回ちゃんと自分の気持ちを言ってみたら?』
友達
『うん、そうする!!』
後日・・・
友達
『ごめん・・・やっぱりダメだって!』
長男君
『何でダメなの?理由は?ちゃんと聞いた?』
友達
『うん、聞いたら、やっぱり危ないからダメだって!!』
長男君
『・・・・危ないって・・・・何が危ないの?』
友達
『まず、隣町がダメなのと、バスに乗って40分も行くのは遠すぎるのと、もし犯罪にでも巻き込まれたらどうするの?って言われた』
長男君
『犯罪って・・・大丈夫だよ!だって、僕スマホ持ってるし!』
友達
『それもちゃんと言ったよ!言ったんだけど・・・・お父さんが「長男君はスマホを持っているから良いけど、お前はスマホが無いだろ?もしはぐれたらどうするんだ!」って言われた』
長男君
『小銭があれば公衆電話で電話すれば良いじゃん!』
友達
『それも言ったよ!言ったんだけど・・・・「今はなかなか公衆電話も見つからないし!危ないからダメ!」だってさ。もうここまでダメだって言われたら無理だわ。これ以上聞いたら絶対に怒られるから・・・』
長男君
『そっか・・・まぁ~人それぞれの家の事情とか価値観とかあるから仕方が無いけどさ、○○←(友達の名前)はそれで良いの?ずっと親の言いなりで良いの?』
友達
『まぁ・・・でも、親の言ってる事は合っている気がするし、親の言う事を聞いていた方が良いかなって思うんだよね。親がダメだって言ってる事は仕方が無いから諦めるわ』
長男君
『そっか・・・分かった。』
後日・・・・
何気ない会話から長男君とそのお友達が将来の夢について話し合っていました。
友達
『長男君って夢ある?』
長男君
『うん!あるよ!僕はこの病気になったお陰で自分の夢が決まったんだ!』
友達
『へぇ~そうなんだぁ~、何になるの?』
長男君
『僕は、この病気の専門医になりたいんだ!まだ治療法とかが確立されていないから自分と同じ病で苦しんでいる人達の為にも医者になりたいんだ!』
友達
『へぇ~』
長男君
『○○←(友達の名前)は?将来の夢とかあるの?』
友達
『えっ!無いよ!だって、夢なんか無い方がカッコいいじゃん!!!』
長男君
『・・・・まぁ~人それぞれの考え方があって良いと思うよ』
友達
『でしょ!!俺はそれで良いの!』
長男君
『そっか、○○←(友達の名前)がそれで良いなら良いと思うよ』
この会話を聞いていて、今の子供達はこう言う感じのお子さんがとても多いように感じます。色々な親御さんの価値観があるし、それを批判するつもりはありませんが、子供の世界観を狭めてしまう一番の原因は親の過保護だと感じました。過保護に育てられている子供達には共通点があって『自分の考えがない』んです。でも、ふと思ったんです。考えが無いのではなく、自分の考えを両親に言っても『どうせ分かって貰えない』や『自分の考えを言ったら怒られる』そう思っているから自分の考えや気持ちを親に言い出せなかったり、親の言いなりになっている様に思うんです。
子供の世界観は無限なんです。だから私は息子達が小さい頃から自分の価値観や物差しで息子達の世界観を狭めたくないと思って育てて来ました。
今回のお話も、まだ中学生・・・ではなくて、もう中学生だと私は思うからです。
お友達との会話の後、長男君が私に意見を求めて来ました。『さっきの会話を聞いてママはどう思った?』と。だから私はこう答えました。『これはママの意見だけどね、人生はやりたい事をやらずにして終わるより、やりたいと思う事をやって終わる方が私は良いと思う。だから例え親の目から見て危険だと思っても、もし長男君が県外に遊びに行きたい!って言っても賛成するし、海外旅行に行きたい!と言っても賛成する。だって、感動は経験からしか学べないから。だから色々な事を見て、聞いて、感じて、経験して欲しいと思っているよ!』そう言いました。長男君は一言ボソッと『僕の親がママでよかった』そう言うと色々と考えているようでした。
以前もこんなお話があったんです。長男君が小学5年生の時のお話ですが、近くに住む長男君の同級生のお友達と長男君で、直ぐ近くの公園に自転車に乗って遊びに行かない?と言う話になったんです。でも、その友達のお母さんが『ごめん!うちはダメなの!危ないから自転車で公道を走ってはダメって言う約束なんだ!だから、ごめんね』と言い、公園に行く事は中止になりました。そこに居合わせていた私は思わずそのお母さんに『自転車で公道を走らないでどこを走るの?』と突っ込みを入れてしまいました(笑)
そうしたら『だって、もし自転車に乗っていて事故にでもあって死んでしまったら絶対に後悔するもん!』と・・・・。開いた口が塞がらないとはこの事か!と初めて思いました。
危ない危ないと過保護な親御さんはよく言うんです。でも、危ないから外にも出さない、冒険もさせない、これが本当に正しいと思っているのが凄く私には怖く感じるんです。
何故なら、私は冒険させない方が怖いと思うからです。このまま世間や広い世界を知らないまま社会人になり大人になったらどうなるのでしょうか?!
過保護な親御さんは達は皆驚くほどに『ネガティブな想像力が凄い!』んです。そのネガティブな思考や想像力が子供の未来を檻に閉じ込めている事を知ってほしいんです。
何でかと言うと、実際に大人になってその檻から出られずにもがき苦しんできた大人を間近で見たからです。大人になってその檻から出ようとするのはとても大変な事なんです。
だから、もしこの檻に閉じ込めようとしている親御さんがいたら檻に閉じ込めて安心するのではなくて、愛するお子様にもっと広い世界を見せてあげて欲しいと切に願います。
『過保護にするのは子供の為ではなく、親の自分が安心したいからしている事』だと私は思うんです。なのでその事に早く気がついて欲しいと思います。
まだ私自身が子育て途中なのでその先が見えませんが、とても不安に思った出来事でした。
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