七夕の短冊に込められた想い・・・そして長男君の想い・・・

七夕の短冊に込められた想い・・・そして長男君の想い・・・

妻が記載しています↓

以前にも何回かお話した事があるのですが、難病の長男君が通っている病院は一般の病院とは異なり、難病や大病を患ったお子様が通院する病院なんです。

その日もいつもの様に病院に行き、受付を済ませ、待合室に行こうとしたら、ふと七夕の笹に括られた沢山の短冊が目に入りました。

そこには、お子様やご家族の想いが沢山綴られていて、一つ一つ読んでいるうちにとても胸が苦しくなりました。

何故なら、私は文字からもその人達の想いなどが伝わってくるからです。

そして、それ以上に心が締め付けられたのは、私達健常者が当たり前の様に行っている願い事ばかりだったからです。

『大人になれますように・・・』
『普通のご飯が食べられますように・・・』

『歩けるようになりますように・・・』『学校に通えますように・・・』『早く家に帰れますように・・・』『みんなみたいに普通になれますように・・・』『薬を飲まなくても大丈夫になりますように・・・』『斜視が治りますように・・・』『背が伸びますように・・・』『管が外れますように・・・』『痛くない体になりますように・・・』

そして、中にはこんな事が書いてあるものもありました。

『ママがもっと笑顔になれますように・・・』『家族がこれ以上悲しみませんように・・・』

『魔法が使えますように・・・』『生まれて来る赤ちゃんが幸せでありますように・・・』

私が泣きそうになった短冊・・・それにはこんな事が書かれていました。

『自分がお空に行っても、家族みんなが笑顔でいられますように・・・』


この短冊をどんな気持ちで書いたのだろう・・・そう思ったらそれを書いた子供の想いが飛んできて、息が出来なくなるような感覚になりました。

これら全ての短冊には、小さい体で必死に病と向き合い、闘い、自分の命にも必死に向き合っている子供達の想いに溢れていました。

当たり前の様に毎日が過ぎ、暮らしている私達には到底想像も出来ない世界がここには広がっていて、何ともいえない気持ちになりました。

そしてこの中に、自分の息子が居る・・・・

普段、私の前では辛い表情を見せない長男君ですが、たまに家族に隠れて泣いているのを私は知っています。

この日も一人で泣いていたんです・・・

でも、母親として代わってあげる事もできないんです。

これは長男君の学びでもある。頭では分かっているし、長男君にも話していました。

ですが、一人孤独の中にもがき自分と向き合い家族に心配させまいと隠れて泣いている長男君の涙を私が全部受け止めてあげたいと思いました。そして長男君に伝えたんです。


『辛いね・・・でもね、長男君。隠れて一人で泣いたり、悲しまなくていいんだよ。
ママは長男君の病気を代わってあげられない・・・
その代わりに長男君のサポートだけは精一杯するからね。
だから、辛い時には一人で抱え込まないでね』

そう私が言うと、涙を隠す事無く流し始めました・・・。

そしてこう言ったんです。

長男君
『ママのその一言があるから僕は生きていける・・・いつも本当にそう思うわ。ママ、いつも僕を支えてくれてありがとう・・・』

夕飯時で調理中でしたが、居ても立ってもいられなくなってしまい・・・

料理をしていた手を止めて、泣いている長男君に向かって、両手を大きく広げておいで!と言うジェスチャーをしたんです。

そうしたら、泣き顔のまま私の胸の中に飛び込んで来ました・・・。

久しぶりに立った状態で長男君を抱きしめたら、背が高くなっていて・・・・

何ていうのかな・・・長男君の成長が嬉しくもあり、中学一年生なので、あと何年抱きしめさせてもらえるのかな?と・・・長男君の何もかもが愛しく感じると共に、長男君の今向き合っている色々な現実とが相まって何とも言えない気持ちになりました。

そして気がついたら、長男君より涙が流れていました。

それを見た長男君が私にこう言ったんです。

長男君
『僕ね、いつも苦しい時に思うことがあるの。この病気がママじゃなくて良かったなって・・・。だってママは弱いから耐えられないと思うから・・・』

そう言ったんです。

そして、

長男君
『ママ、大丈夫だよ!ママがいつも応援してくれていたら僕、頑張れるから!この病気は辛い事が沢山あるけれど、この病気になったからこそ、分かる事が沢山あった。

当たり前に過ごしていた事が、本当は当たり前では無かったこと。普通にご飯を食べて、学校に行って、勉強して・・・。その全てが病気になって当たり前では無くなった・・・。

でもね、この事に気がつけたのはこの病気になったお陰でしょ!そう思ってるんだ・・・』

普段はお喋りな私なのに・・・・長男君が向き合っている現実の重さや、日々私達が当たり前に過ごしている事が長男君にはもう違う世界に見えていて・・・その想いが痛いほど伝わってきて上手く言葉が出てきませんでした・・・・。

そんな私に気がついた長男君が

長男君
『ママ!僕は大丈夫だよ!僕はそんなに弱くないから!ママには笑顔でいてほしい。笑顔でいるママが一番可愛いよ!!だから、もう僕の為に泣かないで』

そう言われました。もう、どちらが大人なのか分かりませんよね。

私は感情が直ぐに涙になってしまうんです。

これを書いている今も、この事を思い出しながら書いていたら涙が出てきてしまいました。

実は長男君がまだ一歳の時くらいから長男君は私の涙が嫌いでした。何故かというと私が涙を流すと、長男君にも伝わるからです。

小さな時から私が泣いている顔をみると直ぐにティッシュを持って飛んで来て、私の涙を拭きながら一緒に泣いているような優しい息子でした。その優しさは今も健在です。

長男君が言うように、私は弱いんです・・・。

どうしたら強くなれるのでしょうか・・・。いつになっても答えは出ません。

家族で一番弱いのは私なんです。

でも、ハイセルをはじめ、長男君、次男君、この最強の男軍団に守られているので弱くても生きていけるんです。本当に私はこの家族で良かったと心からそう思います。

ですが、いつの日か長男君も次男君も私の元から巣立ちます。

その時までには強くなれるように私も日々、成長し続けたいと思います。

いつもこんな弱いママを守ってくれてありがとう!!

家族の事が誰よりも大好きなママより

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